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《報告》第266回地域ネットワーク勉強会を開催しました

~福祉後見サポートセンターかみす開設3年間を振り返り、想いを新たに~01▶ 日 時:令和4年5月18日(水)        
      午後7時~8時30分

▶ テーマ:『対人援助職に必要な成年後見制度の基礎知識』
      ~支援者が一人で抱え込まないために~

▶ 講 師:橘田勝(社会福祉士・精神保健福祉士)
      神栖市社協 後見ホットライン担当

▶ 参加者:43名

 新型コロナウイルス感染症の影響で令和2年7月より中止となっていた地域ネットワーク勉強会ですが、1年10か月振りに再開をしました。再開第一弾のテーマは『対人援助職に必要な成年後見制度の基礎知識』として本会で後見ホットラインを担当している橘田が講師を務めました。

 当時の講話と資料の内容をまとめたものを紹介します。

【成年後見制度と日常生活自立支援事業の違いについて】 

 成年後見制度は法務省が所管し、家庭裁判所に選任された後見人が、身上監護や財産管理などを法的にサポートします。後見人には代理権や取消権などが付与され法的な支援体制が充実しています(内容は補助・保佐・後見の類型によって変わります)。
 一方、日常生活自立支援事業は、支援内容が日常生活の範囲に限られ、福祉サービスの利用支援、日常的な金銭管理サービス、書類(通帳・証書など)の預かりサービスなどを行っており、成年後見制度に比べあまり重大行為はできないとされています。
 成年後見制度は法律の裏付けがしっかりしている反面、家庭裁判所での手続きが必要になるなど、利用開始へのハードルが少し高くなっています。対する日常生活自立支援事業は、社協に相談して必要と認められれば、比較的簡単にサービスを受けられるようになります。

【2つの制度の概要】

 成年後見制度は、法定後見制度(既に判断能力に問題のある方)と任意後見制度(現在の判断能力に問題はないが、将来に不安を持っている方)の2種類に分かれており、どちらを選ぶかによって手続きの流れが変わってきます。
 法定後見制度の場合、支援対象者の判断能力に応じた類型(補助、保佐、後見)を選択します。次に家庭裁判所へ後見開始の申立を行います。申立が可能なのは、本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、市町村長、他となります。申立に必要な書類や様式は裁判所によって違うこともあるので、詳細については対象者の住所地を所管する家庭裁判所への問い合わせが必要です。申立が終わると裁判所が後見を開始してよいか、調査・審問を行います。このとき判断能力を正確に調べるため、医師による精神鑑定を求められることがあります。そして最終的に家庭裁判所の審判によって後見を開始することとなります。
 任意後見制度は、判断能力が確かなうちに、将来の後見人と後見内容を定めておく制度です。利用の手順としては、最初に支援者と支援内容を決め、公正証書で任意後見契約を締結、契約内容を法務局に登記しておきます。その後、判断能力が衰えた段階で家庭裁判所に任意後見監督人の選任申立を行い、審判を受けた後、後見を開始します。
 一方、日常生活自立支援事業を利用したいと思った場合、まずは地元の市町村社協に相談をします。すると専門員が本人の希望を聞きながらサービス内容や支援計画を作成してくれます。このとき本人に契約する能力があるかどうかを審査したうえで、本人、茨城県社協、市町村社協の三者で契約を結びます。支援計画は、支援内容や判断能力にあわせて見直すことができます。利用料は茨城県の場合、1回1時間の支援で1,100円と交通費(1km37円計算)が掛かります。事前の相談やそれにかかる費用は無料です(社会福祉事業として契約締結までの費用は公費補助)。契約が完了したら専門員や生活支援員が契約内容の則ったサポートを開始します。

【まとめ】

 勉強会の中で、講師の橘田からは制度の課題として「全国的に見ても成年後見制度を利用している方は約24万人、日常生活自立支援事業を利用している方は約5万6千人と両制度あわせて約30万人の方が制度を利用していますが、これは判断能力が不十分であるとされる方(推定1000万人)の約3%の方しか制度利用をしていないということになり、普及が進んでいないこと」との話がありました。また、対人援助職に求められる成年後見制度の知識として、「判断能力が不十分な方に関わる支援者が成年後見制度について理解をすることは必要であるが、制度のすべてを理解する必要はなく、成年後見制度の全般的な相談は、神栖市社協、対象者が高齢者の場合は、市長寿介護課や最寄りの地域包括支援センター、障害者であれば市障がい福祉課というように制度のことを知っている人(相談窓口)を知ることが大切です。そして、今回の地域ネットワーク勉強会を通して参加された皆さまと神栖市社協がつながったことが一番の収穫です」と一般の研修会のように集まるだけにとどまらず、参加者同士や参加者と社協の間につながりが生まれるという地域ネットワーク勉強会の醍醐味が語られました。

 

問い合わせ先

このページに関するお問い合わせは神栖市社会福祉協議会です。

(本所)神栖市溝口1746-1 (支所)神栖市土合本町3-9809-158

電話番号:(本所) 0299-93-0294 (支所) 0479-48-0294 ファクス番号:(本所) 0299-92-8750 (支所) 0479-48-1294

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