★社協職員レポート ~神栖市社協の現在地~
今回のレポートは、毎年茨城県社会福祉協議会が中心となって取りまとめている「茨城県内社会福祉協議会事業概要及び職員設置状況調査データブック2025版」から、各データを比較一覧表としてまとめ、理事会で報告させていただきましたのでその一部を紹介させて頂きます。
(神栖市以外の市町村名は明記しません)
神栖市社協データ (令和7年4月1日時点)
(財源等) : 神栖市人口93,550人・総職員数22人・正規職員数14人・行政からの助成金89,651千円・行政からの受託金67,598千円・会費収入11,607千円・寄付金収入2,000千円・障害福祉サービス収入1,284千円(計画相談のみ)・事業収入23,559千円(職員派遣等)・共同募金配分金収入227千円・その他の収入27,113千円(前期繰越金等)・社協予算総額223,048千円・神栖市一般会計予算額44,742,000千円(令和7年度当初予算)・正規職員中の社会福祉士数13人・正規職員中の精神保健福祉士数12人
(独自事業) 地域福祉ネットワーク会議、地域ネットワーク勉強会、発達障害療育者研修、第6次地域福祉活動計画の進行管理、高齢者サロン支援・子育てサロン支援、高齢者介護者の会支援、高次脳機能障害を考える会支援、特別支援学校卒業生の親の会支援、障害者就労支援事業所との情報交換会、ボランティアセンター及び交流サロンの運営、ボランティア体験講座開催、福祉車両レンタカー費用助成事業、車椅子貸出事業、住民参加型在宅福祉サービス(うぃるかみす)運営、精神保健デイケア午後の部、福祉総合相談、こころの相談、ひきこもり家族相談、成年後見制度利用支援相談、福祉後見サポートセンターかみす運営、緊急生活支援事業、行旅人支援事業、無料低額診療制度利用相談、行政2課へ社会福祉士及び精神保健福祉士派遣、小学生・中学生・社会人福祉教育出前講座、福祉感謝会開催、高校生進路アシストカレッジ、社会福祉士・精神保健福祉士実習生受け入れ、ボランティアグループ助成事業、入れ歯回収BOX・きずなBOXの設置、もったいないを橋渡しプロジェクト、福祉関連4団体事務運営支援。
(市からの受託事業) 障害区分認定調査、精神障害者デイケア(午前の部)、生活困窮者自立支援事業(自立相談支援・就労準備支援・家計改善支援)、障害者相談支援事業所。
(指定管理事業) 無し。
(県社協からの受託事業) 日常生活自立支援事業、生活福祉資金貸付事業等。
(その他の取り組み) 共同募金運動。
社会福祉協議会の取組みとそれに伴う事務局組織の規模及び経費等は、それぞれの市町村の人口規模や福祉に関する住民意識、社会資源の充足状況、行政福祉施策との役割分担など、様々な事情によって大きな違いがあるため、単純な数値の比較だけでは、その妥当性や有効性を明らかにすることはできません。
しかしながら「地域住民や様々な福祉事業者、活動者、行政等と相互に協力し地域福祉を向上させていく(社会福祉法第4条)」といった使命とその役割の発揮を、それぞれの自治体及び住民の理解と協力のもとに進めていく組織体であることは、全ての市町村社協に共通しています。
取り組む事業の種類や規模の違いはあっても、会員会費制や寄付を主軸とした自主財源を基に、行政や民間では取り組むことが困難な事業を進めていくことを主たる条件とした公費助成や、行政制度を担う受託事業、更には介護保険制度や障害者総合支援事業の中で民間事業所と肩を並べる契約型サービスを提供していくことで事業収入を得る・・・
という財源の状況と事業等を比較し、その検証結果を1つの手がかりに神栖市社協の現在を把握することは、今後の本会活動の方向性を見定める重要な確認作業と言えます。
※資料「茨城県内市町村社会福祉協議会データブック2025(令和7年11月)」茨城県社協・市町村社協HP・市町村HP・茨城県HP令和7年度市町村当初予算(普通会計)の状況。
正規職員数と資格取得状況
県内44市町村社協の正規職員数は1,071人で1社協の平均配置人数は約24人です。最も多くの正規職員を確保しているのは100人弱、最も少ない社協は5人(4カ所)です。本会の正規職員数は14人で平均値である24人より10人少ない状況です。(県内正規職員1,071人、正規以外職員1,796人、総数2,867人【県社協職員71名をプラスすると2,938人】)
また、市町村社協正規職員1人が担当する住民数は、最も少ない社協で1人の正規職員が住民約500人を担当しているのに対し、最も多い社協では約13,500人の住民を担当する数値となり大きな開きがあります。
県内における社協正規職員1人あたりの対応住民数の平均は2,967人です。本会は正規職員1人あたりの対応住民数6,683人で、平均値の約2倍以上の住民数に対応する体制となっています。
国家資格である社会福祉士を取得している正規職員は県内で356人、1社協あたりの平均人数は8.09人です。本会は単純人数比較で上位から8番目の13人(調査時点)となります。正規職員に占める社会福祉士資格取得者の割合で比較すると、本会は14人中13人の取得(92.8%)で県内最高位です。
精神保健福祉士は、県内に114人、1社協あたりの平均人数は2.59人です。本会は単純人数比較で上位から2番目の12人(調査時点)となります。正規職員に占める精神保健福祉士資格取得者の割合では、神栖社協が14人中12人の取得(85.7%)で社会福祉士とともに県内最高位にあります。
社協の財源
社協の年間総予算に占める自治体による支出額(助成金+委託金)を比較すると、最も協力の大きい社協は年間社協総予算額の83%を行政が支出しています。一方、最も小さい社協では行政支出が2%と大きな開きがあります。平均値は社協総予算額に占める50%の行政による協力度合いで、本会は平均値より多い70.50%(最も多い社協から数えて9番目)となっています。
自治体からみた社協へ支出している助成金と委託金の合計額を比較すると、最も大きい社協が16億8,000万円であるのに対し、最も小さい社協は176万円と大きな開きがあります。
県内44市町村の社協への支出額(助成金+委託金)の平均は約2億3,000万円で、本会は平均額よりも7,340万円低い1億5,700万円となっています。
また、自治体から社協に支出されている助成金と委託金の合計額が、それぞれの自治体一般会計予算(令和7年度当初予算)の何%にあたるのかを示す、行政コストを比較すると、最も高い自治体は、一般会計予算額の1.73%を社協に支出し、最も低い自治体は一般会計予算額の0.01%の支出といった状況です。
県内市町村の平均支出額は一般会計予算の0.75%で、神栖市は平均値の2分の1以下となる0.35%の支出といった状況です。(行政コストの低い順から神栖市は6番目)
社協の年間総予算額を住民一人あたりの負担額でみる住民コストは、最も低い社協が住民一人あたり約2,000円であるのに対し、最も高い社協は住民一人あたり34,000円となっています。
本会は、県内平均額9,200円の約4分の1となる住民1人あたり2,384円のコストで今日の活動・事業を維持、継続させて頂いております。(住民コストの低い順から神栖市社協は3番目)
まとめ
市町村社会福祉協議会の活動は、目的は共通でも自治体ごとに存在する様々な事情や、目的に向けた手法よって大きな違いがあります。人口規模はもちろんのこと都市部か農村部かによっても大きな違いがあります。
事業内容によって職員配置も正規職員だけでなく嘱託職員や非常勤職員の配置があるため、年間予算額は介護保険事業中心型・行政事業受託中心型・地区社協活動応援中心型・権利擁護事業(成年後見)等狭間活動中心型・総合事業型等によっても大きな違いをみせます。
したがって平均値が市町村社協のスタンダードということでもありません。単純な数値の比較、平均値との比較だけでは、その存在意義を語ることはできないものです。
明らかなことは、市町村社協は決して少なくはない活動資金を様々な形で市民や行政から捻出して頂いているという事実です。
このことから、社協には「社会(神栖市)のどういった問題の解決に向けて、どんな取り組みを進めているのか」を明確化して公表し、住民の皆さんをはじめ福祉事業者やボランティア活動者、自治体等から理解を得なければ、その使命を果たしているとは言えないということです。
そして更に応援して頂けるよう、よりコストパフォーマンスに優れた取り組みへと変化を重ね進化していかなければならないということを、改めて確認することができました。
神栖市社協の特徴

神栖市社協は法人認可から40年間、神栖に暮らす住民の福祉ニーズとその課題を解決する社会資源の充足度合いを検証しつつ、社協として展開すべき活動内容や範囲を日々変化させ実践してきました。
その中でも一貫してきたことは、社会福祉協議会として取り組むべき内容を他の機関では取り組むことが困難な領域の福祉課題への関わり(専門的知識と対人援助技術と国家資格を必要とする)としてきたことです。
今日の具体的取り組みは、精神障害者や発達障害児者を対象とした社会参加支援、引きこもりの家族を抱える家族支援、認知症高齢者や精神障害者・知的障害者の市民的権利と財産を最終場面まで支える法人後見を含めた総合的な権利擁護活動等々です。
これらはいずれも神栖市内においては対象者も支援者も少なく、市場経済化になじまない取り組みであるため、非営利組織である社協だからこそ手掛けることのできる代表的な事業といえます。
また、生活困窮者自立支援事業の一部や障害者相談支援といった専門性を活かし、安定的に継続していかなければならない市事業の受託や、社会福祉士・精神保健福祉士という国家資格を持つソーシャルワーカーを市の福祉関係課に人材派遣(令和7年度2名)している活動等は、本会の持つ地域福祉に関する情報の質量、職員の専門性、各種社会資源との連携及び協働といった機能を評価して頂き、公益を担保するための重要事業として担当させて頂いております。
茨城県内を見渡しても職員数や自治体からの助成金額が平均以下と少なく、民間事業所が担えるようになった介護保険制度や障害者総合支援制度によるサービスを実施しない(市内事業者不足のため障害者相談支援事業所のみ実施)ことで公益法人としての中立性を担保し、全ての正規職員の国家資格取得化(正規職員の89%以上)を進め、それによって成年後見センターやボランティアセンターを含む福祉総合相談を活動の柱としつつ、自治体への人材派遣を実現している社協は神栖市社協以外にありません。
データが示す神栖市社協は、明らかに県内のどの社協とも違う色合いの組織体となっています。
市町村社協のスタイルは、市町村のそれぞれの事情や都合の違いにより大きく変化するため、どのカタチが正解というものではありません。重要なことは「その取り組みは社会福祉協議会が担うにふさわしい」という市町村内における住民、関係団体、事業所、行政等々の皆様との妥当性と有効性の共有だと思います。
これから、この分析データを1つの指標として多くの方々から客観的な評価を頂き、本会の実践に共感を得られるよう「第6次地域福祉活動計画」に沿った取り組みに職員一丸となって邁進していきたいと思います。
神栖本所 K
問い合わせ先
このページに関するお問い合わせは神栖市社会福祉協議会です。
(本所)神栖市溝口1746-1 (支所)神栖市土合本町3-9809-158
電話番号:(本所) 0299-93-0294 (支所) 0479-48-0294 ファクス番号:(本所) 0299-92-8750 (支所) 0479-48-1294
メールでのお問い合わせはこちら- 2026年6月8日
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